オムニバス
新しいものがたりの続き。
私は、新しいものがたりは、どうやらこれまでのものがたりとは違うようだと気がついた。
ひとつひとつのものがたりの長さが違うようだ、と。
それらは、オムニバスで、ひとつひとつが短い。
そして、ひとつひとつのものがたりは、他のものがたりと絡み合うこともあるし、他に影響しない全く独立した短編の場合もある。
ただそれらは、私の人生、というくくりの中に存在する。
オムニバスだ。
言葉は偉大だ。
そう浮かんだ後、私の仕事についての考え方がすぐに変化を始めた。
長く続けることは考えなくていい。
他の仕事との兼ね合いは考えなくていい。
長期的なアウトカムを設定しなくていい。
ひとつひとつを丁寧に仕上げていこう。
必要なのはただそれだけだ、と思い始めたのだった。
これは、心からありとあらゆる葛藤を消した。
たったひとことの単語が。
オムニバス。
毎日、今日というオムニバスのものがたり。