適応の仕方。どう適応するか。

置かれた環境にどう自分を適応させていくか。

これは普段、あまりセッションでは扱わない。
いかに環境を生み出していくかの方に焦点はおく。

私のクライアントのほとんどは大人で、精神的に健康な場合が多く、親から自分の意志で離れることができない子供でもなければ、この国には職業選択、居住場所の選択、結婚相手の選択、それらについての自由が憲法で保証されているからだ。

環境を選ぶ自由があるから、セッションでお題にあがるようなことは、環境を作ることに焦点があたる。


だがしかし、選べない環境を、誰もがひとつだけ持っている。
未来は違うかもしれないが、今は。

地球だ。
活動する惑星に居住していること、動き続ける陸地の上に住んでいること、火山があること、台風が発生すること、つまり人間から見れば災害がついてまわる惑星に住んでいること。
それが、全員が選べない環境だ。

地球が活動を止める時は生物も死んでしまうので、地球の活動は、生そのものも意味する。
自然災害がゼロになる時、生物もまた滅ぶ。


で、ここにどう精神的に適応していくか、ということが、ここから少しテーマになってきそうな気がする。

どう適応するか、どうやり過ごすか、どう備えるか、どう立ち上がるか。

幸い、今生きる全ての人は、過去、生き残った人達の子孫で、体の中に、生き延びる知恵はインプットされているはずだ。
古い古い場所に。

そこに、古い時代には存在しなかった社会的リソースや社会的ネットワーク、科学も今は存在する。

怖れ祈るしか術を持たなかった太古とは違う。

また逆に、太古は当たり前だったことが、今は怖れを生む。
停電と断水は、太古は当たり前の状態だったけれど、暗い夜、水道から水の出ない状態、情報が入らない状態は、今を生きる人には恐怖だ。

そういう意味では、ここには太古の知恵とは異なる知恵が必要だ。


さて、いかに今時の自分のやり方と、自分の中にある太古の知恵を使って、地球に適応していくか。

少し、ワクワクしてしまう私は、やはり、感情がどこかおかしいのかもしれない。


何かを失う前に、失う悲しみは想像しなくていい。