DAY112: IDENTIFYとDEVELOP
IDENTIFYとDEVELOPという、シンボリック・モデリングのプロセスの鍵になる単語の訳を再検討しはじめて、はや半年以上。
他も再検討していますが、一番、悩んでいるのはこの2つ。
この2つは、クリーンな質問の区分分けにも関係するからです。
シンボリック・モデリングは、プロセスの区分と質問の区分けを連動させてあるのですね。ファシリテーターが覚えやすいようにしてくれてあります。
DEVELOPは、名付け親が意図した使い方のDEVELOPの訳は、私が知る限りは、ここまで日本語では登場していません。
私は由来は知っていましたが、ラベルの名前を変えるには慎重さが必要だと判断して、その訳ではここまで翻訳していません。
辞書の一般的な訳を採用してきました。
発展させる、展開させる。
ワークショップでは、たまに、開発する、という訳を使っていることもあります。
ここまで、既存の共通ラベルという役割の方を重視してきました。
キノコの山が、タケノコの里になったら、ちょっと混乱しますので。それは私の望むところではありません。
質問訳はクライアントに関係しますが、ラベルの話はファシリテーターにしか関係しません。
そこに時間を使うのは時間がもったいないと、私は考えていました。
やがて、「自分が教える」「自分が書く」と考えた時、DEVELOPのラベルの訳を、本来意図された訳に変更したいという思いが、つい最近、浮かびました。
その訳ならば、「じわじわ」とか「ゆっくり」DEVELOPのパートは進むので焦らなくていいよ、と、初心者のファシリテーターに伝えられるからです。
ラベルの名前が、メタファーとしての役割を、より果たしてくれる気がするのでした。
ちなみに、焦らなくていいよ、と言いたいのは、私自身の意図です。
初心者の人は最初、うまくメタファーにできなくて、必ず焦るから。
けれど、ある程度は、そういうものだから。
(すでに使える人は、まあ、ラベルの名前は何でもよくて。私個人は、自分がクライアントを体験している感覚だと、展開/開発、がピンときます。あくまで、共通ラベルと、自分の理解は同じでなくていい。できればいい。)
ただ一点。
ここから先に学ぶ人たちが、それを知っているか、もし知らなければイメージがつきにくいのでは、というハテナは頭に残っています。
どうやろうか?
平成以降生まれのみなさんは、イメージわかるかなあ、写真のフィルムを現像する作業。
だから最終的にその訳を採用するかはわかりません。
なので、ここには書いておきます。
辞書では下の方に登場するその訳が、そもそものシンボリック・モデリングの開発者が意図したDEVELOPです。
現像する。
写真紙を現像液に浸すと、じわじわ、少しずつ、真っ白だった紙の上に、画像が現れてくる。アナログな作業。
発展させる質問、DEVELOPING QUESTIONを開発者の意図のままに直訳すると、それは、「現像する質問」です。
ここについては、彼ら自身が自分の口で喋っている映像が、オンライン上にあります。
オンラインのシンボリック・モデリングのイントロダクションコースです。
最近、その映像を見直ししていて、そうだよなあ...と、訳について、いろいろ考えています。
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私がシェアするものには、翻訳した時点で私の解釈と理解がそこに必ず混じります。
翻訳とはそういうものですし、例え、英語のままだったとしても100人いれば、100通りの理解があります。
ただ、経験値がもう彼らと私はべらぼうに違うのと、私が書いた文章ではないので、翻訳するときは、彼らの意図をできるだけ残したいという思いがあります。
意図を汲みたい。
彼らは、技法を一般化しようとした人たちです。
日常の場面までもが、彼らが想定した場面には入っています。
彼らが想定したファシリテーターの中には、「親」までもが含まれています。
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時々、「私は大して賢くもないのに、なぜ、こんなことになっているのだろう?」と思う日があります。
たまに、すごく、不思議な気分になります。
私は、まっさらなランドスケープを現像していっている最中です。
確かに「自分が望む結果」(DESIRED OUTCOME)があって、そのために、「望み通りの結果」(DESIRED OUTCOME)を達成するために、このランドスケープを展開(DEVELOP)し始めました。
そこに、この新しい世界(ランドスケープ)に、何が存在しているのか、それらがどんな働きをし、どんな形をしていて、どこにあるのかは、じわじわ、やがて、少しずつ見えてきて、明らかになる(この文章のここまで全て、DEVELOPの段階で起きること)のでしょう。
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共通認識で持っていた方がいい言葉の理解は、最初に少し時間を取って話した方がいいなというのが、本日の気づき。
(トレーニングのプログラム構成を同時に考えています。私が英語でトレーニングをする可能性はゼロではないけれど、あったとしても何年も何年も何年も先なので、これは、完全に、日本社会で教育を受けた人が理解しやすい話の「順番」を模索しています。)
少し、進みました。