一人でできるもん!
こんにちは。
幼稚園くらいの子供が、「全部、自分でやる!」「全部、自分でできるもん!」と、いうことがありますね。
「わあ、一人でできたね、えらいね」と大人が褒めるからですが、実は「全部自分でやれる」ことを自立とは言わないことを大人は知っています。
もしも、「すべて自分でできること」が自立の定義なら、この世に自立した人間は一人もいないかもしれません。
自立の定義は、人によって様々なのだろうと思います。
けれど、「すべて自分でできること」を自立とは言わないというのは、現実的に、事実として共通したところになってくるのかな・・・と思います。
さて・・・
そこがわかりやすいからなのか、国民をアホだと思っているからなのか、特に選挙期間、政治の話で「自立」の話が登場する時、食料と軍備について語られることが多いような気がします。
「自分たちでやれるもん!」を目指したい政治家が多い印象があるというか・・・。
もしもすべて「自分たちでやれるもん!」が自立の定義なのだとしたら、空気中からエネルギーを取り込めるなどの、ものすごく新しい発電システムみたいなものが確立するまでは、残念ながら、日本は自立できません。
世界の多くの国も、自立できてないことになってしまいます。
自分たちでできること、それが、自立の定義なのならば。
もしかしたら、食料はできるかもしれませんね。
けれど、私は、アボガドもオレンジもバナナも食べたいので、食料自給率100パーセントの世界は、私には合わないかもしれません。
それはともあれ、どうして、選挙のときには、保守の人たちは誰も、言わないんでしょう?
普通に学校教育を受けた人なら、誰でも知っている事実を。
日本は、資源がない国だということを。
エネルギーの自給率は、いつでも10パーセント前後。
90パーセントを輸入に頼っているということを。
誰でも知ってる食料や軍備の話は、大事のように何度も繰り返すのに。
目に見えない「エネルギー」のことは、どうして誰も言わないんでしょう?
私はいつでも不思議です。
武器だけあっても、それを動かすエネルギーがないとしゃあないのよ、と。
私は小学校で習った記憶がありますが、その時、先生は言っていました。
よく覚えています。
「日本には資源がない。だから、みんなと仲良くしないといけないんだよ」
「ほんとだね!」と小さい私が思ったのも覚えています。
改めて並べてみると、たくさんの国のおかげで、今、この瞬間、私の部屋のエアコンはついていることがわかります。
*参考*
日本の主な資源の輸入先
天然ガス
オーストラリア
マレーシア
ロシア
アメリカ
パプアニューギニア
カタール
インドネシア
ブルネイ
オマーン
アラブ首長国連邦
その他
https://www.customs.go.jp/toukei/suii/html/data/y8_3.pdf
原油
アラブ首長国連邦
サウジアラビア
クウェート
カタール
ロシア
その他
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sekiyuso/result.html
石炭
オーストラリア
カナダ
アメリカ
ロシア
コロンビア
インドネシア
中国
南アフリカ
その他
https://coal.jogmec.go.jp/content/300392387.pdf
この輸入先の一覧からは、過去の失敗から学んだことが多いに生かされているような気がします。どこか一つの国に頼ってはいけないこと。政治的に近いところからの輸入に依存してはいけないこと。
その昔、石油の輸入を止められちゃってえらい目にあったし、当時の日本の立場からすると「仕方なかった」としても、アジアの皆様に大変ご迷惑をおかけした過去の教訓が生かされているような気がします。
そして、国を守ろう、日々の暮らしを守ろうとしているたくさんの人たちの知恵がそこに存在している気がします。国を守っているのは、自衛隊だけじゃないですよね?
そして、また、私は思うのですが、食料、軍備、資源、そのどれも自給率が低いのに、日本は世界から見下されていません。
それは、なぜなのだろう?と。
そこに、この国が目指す本当の方向性があるのではないかしら?と。
それに気づけた時、本当の意味で、この国は「自立」できるのではないかしら?と。
世界のどの国とも違う、自分たちのスタイルを広めていくことこそ、日本の役割なんじゃないのかなあ・・・と。
だって、ずっと平和でしょう?
みんなが欲しくてたまらないものを、私たちは持っています。
なぜ、平和をキープできない国の真似をしないといけないの?
どうして、普通の国、にならなきゃいけないの?
そう、たまに思います。