ロシア人の友達...2
この夏、ロシアから友人が日本に遊びに来ていました。
その人と私は、今の世界状況が生まれる少し前に、グループでの学習を通じて友人になりました。
そのグループには、語学学習をしている複数の国の人が参加していました。
友人は、語学堪能でヨーロッパを相手に仕事をしていました。
しばらく後、金銭のやり取りができなくなったため、友人は仕事ができなくなりました。
私とはオンラインで、話をし続けています。その人はインターネットを使って、普通に西側の情報にも触れています。
ロシアの人は英語が堪能な人が多く、多くの人が似たような感じだそうです。
友人は、今の状況が始まった当初、非常に混乱していました。
ロシア語と英語で、同じことに対して真逆の情報を目にしていたからです。
私と友人は、この4年、非常に慎重に話題を選んで会話してきました。
誰が私たちの会話を聞いているかがわからなかったからです。
天気の話、ペットの話、家族の話、文化の話。
私たちの話題は、政治から離れた話題でした。
実際、ある一時期、おかしなことは起こりました。私のパソコンが探られていたような感じでした。
だって、パソコンの表記が、ロシア語になっちゃったんだもん!笑
2人が同じURLを使ってアクセスしているのに、オンラインで会えないこともありました。
私と友人の会話は、「英語を話す」ことを目的としていました。
私が明らかに精神的にきつそうな彼女にできたサポートはそれくらいだったからです。
私にとっても勉強のためではない英会話をすることは意味がありました。
何より、私はその人が好きでした。
気があったのです。
それでも怪しまれた。
これですね、私の国にはスパイ関係の法律がありませんので、私にはどうもありませんが、その人には大きな問題です。
政治の話をすれば逮捕されてしまいます。
15年、刑務所に入れられ、二度と職にはつけなくなるそうです。まじで。
(だから、内側からの反戦運動はほとんど無理)
それで、「私たちが疑われるのは何が原因だ?」と2人で考えて、私のペットの名前が何かの暗号みたいなんじゃないか?ということになりました。
それで、私とその人のオンラインおしゃべりする度に、私は、ペットのうさぎや猫を抱っこして画面に写しました。
その人は「ペットの名前の由来は?」と私に問いかけました。
漫画やん、と、私は思いました。笑
嘘みたいですけど、それで、変なことは収まりました。
まあね、その人と私の会話を聞いていれば、私たちがただの友達なのは、誰にでもわかったかと思います。
その人を通じて、私は何人かのロシア人と知り合いになりました。
日本語を勉強していたり、日本画を学んでいたり、日本文化ファンだったりする人たちです。
出会う人たちに私は驚きを覚えました。
感覚が近かったからです。
ヨーロッパやアメリカの人より、日本人と感覚が近いと感じたのです。
違和感が少なかったのです。
私の人生にロシア人が登場したのは、友人が初めてでした。
ロシア人って日本人と似てるとこがあるね、と、私がそのことを伝えると、友人は、当たり前だと笑いました。
「ロシアは、ヨーロッパとアジアの間にあるし、アジアの文化も混じってるから」と。
実際、友人のDNAには、アジア人のDNAも混じっているそうでした。
また、友達が小学生になるとき、最初に買ってもらった筆箱は、ポケモンの筆箱だったと、今も持っているその筆箱を見せてくれました。
私たちは、普通の友達がそうするようにプレゼント交換をしました。
ロシアからは、普通に日本に物が発送できます。発送後5日で、普通に郵便局の人が届けてくれました。
まあそうでしょうね。
スーパーに、ロシア産のイクラやサーモンが並んでますから。
しかし、日本からは何も送れません。
それで私は、中国に住んでいる日本人の方に発送を依頼しました。
一度は、イギリスに行った時に、イギリスの郵便局からクリスマスプレゼントを発送しました。普通に発送できました。
なんじゃこりゃ?と、私は首を傾げました。
ちなみに、私、昨年秋に、ポルトガルでウクライナ人とも知り合いになりました。
そこには、ロシア人の人もいました。
ウクライナの人は、今、国の中で生まれている分断を話してくれました。
ともあれ、そのロシア人の友人の存在から、現在の世界情勢は、私には他人事ではありませんでした。
私は、生まれて初めて、外務省のホームページを真剣に読みました。
ウクライナとロシアの歴史を読み漁りました。
そうして、当初、ロシアがしていた主張は必ずしも嘘ではないことを知りました。
日本の外務省のホームページの過去ログに書いてあったからです。
また、両者の領土の歴史は複雑でした。
日本の歴史のようにわかりやすい話ではありませんでした。
長きにわたる問題を抱えていたことは嘘ではないんだなと。
ただし、その解決に、武力を使用したこと、それね。
今の世界では、それはやめとこうとなってますのでね。
私は、もしかしたら、ウクライナ大統領が別の人で、政治をしたたかにやるプロだったら、今の状況は生まれなかったかもしれないなと思いました。
政治家は慎重に選ばないといけないなと思いました。
どんなに魅力的な人でも理想に溺れる人はあかんと、本気で思いました。
そうして、夏、3人のロシア人が大阪に遊びにやってきました。
続く。