DAY63: そして、あなたは何が起きてくれたら好いのでしょう?

昨日、私は、2つのことに取り組みました。

彼らと一緒に。


今日はひとつ目の話を。


それは「あなたたち、秘密があるんじゃないですか?」という私の質問から始まりました。


私が何について尋ねたか、詳しくは、一つ前に書きましたが、「なぜ、あなたたちの最初の質問は、他の人のとは違うように作用するのか?」ということでした。


これは、彼らからセッションを受けてみなければわかりませんが、明らかに違うのです。

その最初の一問が生み出すものが。

What would you like to have happen?のする仕事が。


私は、昨日のブログの内容をそのまま英語で説明しました。


(ちなみに、セッション前に一度、説明の練習をしました。

先に、使う英単語を確認しておく必要があったからです。私は、そうやって新しい英語のボキャブラリーを増やしていっています。)



彼らはしばらく考えてから、それぞれが答えてくれました。

ちなみに、彼らは私の質問に答えていますが、彼らは、私が教えてもらったことを「ほとんど」全部ブログに書くことを知っています。



まずはペニー。


「私はまず、セルフ・モデリングをするのよ。セッションまでは、いろんなことをしているでしょう。買い物リストにやることリスト。

そういう自分の目の前にあるものを全部、傍によけて、まっすぐにクライアントだけに注意を向けるの。

質問をする前に、まず、まっすぐに、クライアントだけに全ての注意を向けるの。

先に自分の状態をセルフ・モデリングして、裏側にあるものや自分を傍によけて、それから私は質問をするのよ。」


「最初に質問するとき、クライアントの顔は見ても、微妙に目を合わせていないのよ。」


「声と姿勢も関係あるわよ。これ、と、これならどう違う?」

そう言って、彼女は、二種類のやり方で、同じ質問をデモしてくれました。


「クライアントに、ファシリテーターに答えを答えなくちゃいけない、と思わせてはだめよ。」


それから、ペニーは、私に言いました。

「やってみて。私に質問してみて。」


私は、ええ〜、と笑いました。

緊張するやないか。


もう一度、もう一度、と、何度かやり直し、そうして、「じゃあ、次はジェームズに質問してみて」と彼女は言い、私は彼に質問を投げました。


私は、自分が、ペニーに質問するときよりも、自然に声のトーンを下げたことに気づきました。

(ジェームズの声は、ペニーより低いからです。)

そうか、私は全員に言い方を変えているな、と、気づきました。



「今のはよかったわ」とペニーは言いました。


そうしてそれから、そこまで考えていたジェームズが語り始めました。


「考えてみたんだがね、もしも違うとするなら。ひとつ、ファシリテーターが自分が答えを得ようとしているかどうかはあるかもしれない。

そうしたら、クライアントは、ファシリテーターに答えを返そうとするね。


答えを得るのは、ファシリテーターではないよ。答えを得るのは、クライアントだ。

僕らが答えを得るか、それを理解できるかどうかはどちらでもいい。

ファシリテーターが答えを得るために、僕たちは問いかけてはいない。

クライアントが答えを得るために、ファシリテーターは問いかけている。

ファシリテーターに回答してもらうために、問いかけているわけではない。」


「それから、質問を届けているかどうかもあるかもしれない。

デイビッド・グローブは、質問を配達するdeliver)と言っていた。

ただ、質問を口にするだけじゃない、質問をある場所に届けるんだ。

どのように質問を言うかは、大きな関係があるよ。声は大きい。」


私は言いました。

「それはわかりますけど、最初の一問の時は、まだ、メタファー・ランドスケープがないですよね。配達する場所はどこですか?」


ジェームズが言いました。

「クライアントだよ。」


「そりゃ、そうなんですけどね」と、私が言うと、ペニーが笑い、上半身全部を包むジェスチャーをしながら言いました。


「体全体よ。クライアントの体全体。」



そこで、私は思いだしました。

容器。


つまり、クライアントの体という容器全体に届くような声の使い方をする。


そして、私は、見聞きしたものをメモしました。


優しく。

押し付けるのではなく。

静かに。

少し引いた姿勢で。

目線は目と目の間を見る。

少しほっぺたはゆるませて。

やわらかく。



ペニーがもう一度言いました。

「さ、言ってみて。」


私は、「そして、あなたは何が起きてくれたら好いのでしょう?」と英語で言いました。


ペニーは言いました。

「いいでしょう。」


.....


だいたい、こんな感じ。


そうして、そのあと、私たちは本題に入りました。


......


そして、私は、セッション後、私が編集するクリーンな質問リストに、一訳、追加することに決めました。

既存の訳に併記することにしました。


「そして、あなたは、何が起きてくれたら好いのでしょう?」


その訳は、割に初期の頃、私が質問訳を考えるために当時作っていた翻訳プロジェクトのメンバーのひとりが出していた訳でした。ジェームズもメンバーのひとりでした。


この質問の原文は、What would you like to have happen?です。


haveという使役動詞のニュアンスが翻訳に含まれていないことが、この質問が英語と日本語で効果が違うことの理由ではないかと、日本の最高学府出身の彼は推測していました。


彼は、「起こってくれたら」という表現をしていました。


「起こって/OKOTTE」は「怒って/OKOTTE(怒る)」と同音で、それが理由で、私はそちらを採用しませんでした。


クライアントは、質問を耳で聴きます。

音はかなり重要です。



私が、今回、「そして、あなたは何が起きてくれたら好いのでしょう?」を採用したのは、使役動詞が理由ではありません。


彼らとのやりとりの中で、自然に、自分の中で、What would you like to have happen?をそう訳したからです。


私が知る日本語の中では、昨日OKがでたWhat would you like to have happen?に一番近いのがそれだったからです。


理屈が出した結論ではありません。

私のほとんどの気づきには、理屈がありません。

最近は、シンボリック・モデリングに関わる自分のメタファーの論理的理解すらジェームズがサポートしてくれています。(クリーンランゲージとしてではなく。シンボリック・モデリングはメタファーを解釈しません。)

私の脳ではねえ、辿りつきませんよ、それが意味する言葉やロジックには。


ファシリテーターとしての私に、それを説明する言葉は必要ありません。

けれど、今、私は言葉を必要としています。

トレーナーになるからです。

翻訳とテキストが必要だからです。



ともかく今朝、結果、使役のニュアンスもより残せるな!と気づいて、私は、なんだか嬉しくなりました。


.....


そして、あなたは、何が起きてくれたら好いのでしょう?


これが一つめ。


.....


昨日取り組んだ2つめは、宿題を必死でやっています。


こちらは、また、そのうちに。


......


追記


もしも、ジェームズとペニーから、シンボリック・モデリングのセッションを受けたいファシリテーターがおられたら、無料ボランティアで通訳をしてくれる人がいます。

(私ではありません。)


ボランティアの条件は、セッション記録をプライバシーに配慮した状態で残すこと、日本語への翻訳に承諾していただけることです。


このボランティアの人は、彼らの再現ができる稀な人です。


興味がある方は、クリーン実験室のホームページからご連絡ください。

調整をお手伝いします。


セッション費用は実費です。

セッション時間の長さはいくつか選択できると思います。