DAY55: 私はそうは言っていません
シンボリック・モデリングのセッションをしていると、時々、クライアントが口にすることがあります。
「そうとは(私は)言ってません。」
クライアントは、そう言ったんですね。確かに。
時には、何回も口にしたことを、「自分は言っていない」と言うこともあります。
これがなんで起きるのかはわかりませんが、どこでも起きることらしく、私には非常に興味深いです。
その人は言っていない。
それは嘘ではないんでしょう。その人にとっては。
では、誰が、または、何が、そう言ったんだろう?と、好奇心がわきます。
その人の中に、認識されていない知覚者があるんだなという推測はします。
もしも、自分の目の前でそれが起きたら、その時、私がするやり方はいくつかあります。
クライアントの状態によって、やり方を変えています。
いったん引き下がって、後からその誰かか何かが登場するのを待つこともあります。
もしくは、「そして、あなたは〜と言っていない。そして、〜のとき、〜と言ったのは誰、もしくは何ですか?」と質問することもあります。
または、「今、何が起きてますか?」と問いかけることもあります。
私自身の経験としては、こういうことは、クリーンランゲージを使うまで起きたことがありませんでした。
クライアントの言葉を要約していた頃には、これはありませんでした。
私はクライアントが言った言葉ではない言葉を言いまくっていたにも関わらず、クライアントは「私はそうは言っていません」とは言いませんでした。
これは、クリーンランゲージでは、ファシリテーターがクライアントの言葉をそのまま繰り返すことで、クライアントが「自分の言葉ではないもの」に敏感になるのだと考えています。
そして、クライアントが、自分が言った言葉の中にも、クライアントが「自分の言葉ではないもの」があると感じることがあることが、非常に興味深いです。
そこでは、何が起きているんでしょうね?
非常に興味深いです。
隠れているのは誰/何なんだろう?
認識してもらえないのは誰/誰なんだろう?
「私はそうは言ってません」とクライアントが言うたびに、私、ワクワクしてしまいます。
隠れているのは何/誰?と。