アサンプション

一つ前を覆すような話をひとつ。


実は私、自分自身が、この思い込みと決めつけという言葉を、今後、クリーンランゲージの訳や説明をする時に使用するかは、決めていません。

ニュアンスを掴んだ絶妙な訳だなとは思うのですが。

辞書にはこうは載ってません。


しかし、私が検討する単語のひとつに入っています。

理由は、思う、決める、が言葉に入っているからです。


ファシリテーター、決めるのも仕事の一つなんですね。

何に注意を向けるか、何を質問するか、ファシリテーターは決めないといけません。


それから、ファシリテーターが思うのは自由なんですね。なんぼ、クリーンランゲージだと言っても。


「なんじゃ、そりゃ」という世界観、もちろん登場します。

「わあ!すごい」と感動する変化、もちろん起きます。

「ああ、ぐるぐるしてるねえ」と感想を抱く、もちろんOKです。


何も、クリーンランゲージは、ファシリテーターに何を見ても心動かない仙人になれと要求してはいません。


あなたのままで、そのままで。


ただ、あなたのままを、クライアントの世界に突っ込むなという話です。

自分にあてはめて考えるな。

一切、評価は表に出すなということ。

顔に出すな、言葉に出すなということ。


つまり、介入しない、と、いうことです。



さて、この言葉。

元の単語は、asuumption


例によって、複数の訳が登場します。


そしてね、クリーンランゲージでは、assumptionはするのです。

必要なんですね。


仮定と推測。


それを立てないと、質問できませんのでね。


assumptionNGだが、assumptionは必要。



ちなみに、クリーンランゲージのファシリテーションでは、死ぬほど頭は使います。

心は動かさないで、おやすみ。


私自身のメタファーをシェアすると、私のファシリテーション中、首から下は、風ひとつ吹かない静かで穏やかな湖です。

例え、目の前で、クライアントが号泣していてもです。



頭はめまぐるしく動きます。

けれど、自分自身の経験や世界観、価値観に基づいては考えない(ゼロというわけにはいきませんが)。


私自身は、自分に想像がつかないシチュエーションの方が、セッションしやすかったりもします。

自分が入り込む余地がないからです。


わかる〜!が、これほど邪魔になる技法もないかと思います。

わからん方がやりやすいとは。



辞書でassumptionを引くとわかりますが、「事実に基づかない推測、仮定」という訳があります。


思い込みや決めつけは、ここに入ると思います。


この場合の事実は、クライアントの発言、メタファー・ランドスケープで起きていること、そして、もう一つあります。


頭を使って考えるとき、使っているのは、ロジック(論理)です。


朝が来れば、夜が来る。

空があれば、地面がある。

前があれば、後ろがある。

お水を飲めば、喉が潤う。

止まっているものが前に進むには、何かそこに、前に進むための力が働く。

家には壁がある。屋根がある。

火はいつか消える。

食べものは、手で触れる。


地球に住む誰もが、生まれた瞬間から関わってきた自然の摂理ともいえる論理です。



メタファー・ランドスケープは、なんでもありな世界ですが、その世界は、クライアントの記憶や体験、知識などから生まれたものです。


地球の自然の摂理や物理法則は、ある程度、影響します。


時間。

空間。

物の形。



それらや、クライアントが語る事実(言葉)に基づいて考えます。


これを、logical assumptionといいます。



論理的推測。

論理的仮定。



「単なる事実に基づかない推測や仮定ではなく、そこに根拠がある推測や仮定をしなさい」というのが、元のニュアンスに近いのかなと考えています。


ようは、推測や仮定の質(クオリティ)の話なんですね。



ファシリテーター個人の人生体験に基づいては、仮定や推測をしない。

まあこれは、どの技法でもそうですが、クリーンランゲージは、これがかなり徹底しています。


理由は、一つ前に書いています。



そうは言っても、体験もやがて、推測や仮定に影響します。

セッションの数をやれば、あ、これはという体験のストックが貯まります。


多分、それは、ヒューリスティクスの話になってくるんじゃないかなと思います。


それが、思い込みや決めつけ、または、確信、と、どう違うのか。

仮定や推測とは何が違うのか。



そのあたりで、私、言葉の選択に悩んでおります。



なんでか〜?


それは内緒。笑



ともかく、assumptionには、さまざまな意味がありますよというお話しでした。



アサンプション!と注意もされますし、アサンプションしなさいとも言われる。


変な技法ですよね(笑)

日本語は、まだ、わかりやすい。

言葉を分けられるので。


さて、どうしましょうかね。

ぱっと、感覚的に掴めるメタファーはないかいな。



ちなみに、Inside Cleanの今年のバージョンが、このあたりについてです。

現在、無料で日本語資料を提供していますが、講師それから場所を貸してくれている関係各所のご好意でたまたま可能になっているだけで、来年以降、そのまま無料かどうかは微妙です。


私自身は、シンボリック・モデリングのファシリテーションをするなら、今年の内容はマストくらいに感じます。

なんでこれを、もっと早く出してくれなかったのかくらい。


しつこくおすすめしておきます。


初心者さんも、今年の内容は覚えて損はありません。