毛虫から始まった長い話。

*今日のは長いです*

今朝、少しずつ秋に慣れて、元に戻りつつある体調で、これは、どっちなんだろうなあ、と、考えた。


毛虫に刺された翌朝、手がグローブみたいにぱんぱんに腫れ上がり、前日行った皮膚科は休みだったので、皮膚科のはしごした結果、私の頭は、思わぬところに、考えが及んだ。


その日、二人目の皮膚科の医師は、私の手を見て言った。

「アレルギー反応やね。毛虫に刺されたのは初めて?」

私は、子供の頃に別の毛虫を握ってぶつぶつが出たことはあるが、この毛虫には初めて刺されたと言った。


医師は「最初に言うとな、この毛虫の毒は、君を殺すことはないし、そのうち、何もせんでも治るわ。心配せんでええ。そやけど、君が痛くて辛そうやから、腫れどめと痛みどめを出すわな。ほんで、それは腫れがひいたら飲むのはやめなさい。その後、たまらん痒さになって、君はもう一度来そうな気がするから、先にかゆみどめもだすわ」と言った。


私は、はい、と言った。

よく喋る医師で、話はそこでは終わらなかった。

近所で人気の皮膚科だったらしく、待合室は、ぱんぱんに混んでいたが、医師は気にする様子もなく話を続けた。


「腫れてひどいように見えてるかもしれんけどな。これは悪いことは起きてへんねん。君の体が、知らんもんが入ってきたから、やっつけようと頑張ってんねん。そやけど、まあ、君は辛いわな。だから、痛いのと痒いのはとろうな。」


「もう二回くらい刺されたら、あ、また刺された、くらいで、体が慣れて、ここまでは腫れんと思うわ。

そやけど、今日渡す薬には、毛虫って書いとくからな、腐るもんちゃうから家に置いときなさい。」


六十代くらいのインターネット情報によれば、そこで三十年以上、診察を続けてきたらしい医師は、とても楽しいことを話しているように言った。


私は「わかりました。体を褒めておけばいいですね」と言い、医師は、「そう。今も辛いやろから、隣の処置室で薬塗ってもらってから帰りなさい」と言った。



そして、また、次の日。

見事に腫れがひき始めた手を見ながら、私の頭に浮かんだのは、ワクチンのことだった。


私は、医療の専門家ではないので、ワクチンそのものに対する情報については、ここまで一切、書いていない。

ただし、自分が打つにあたっては調べた。

調べた結果、私が打ったワクチンに使われたものは少なくても20年以上前から、研究されていたものであることは、確認してあった。

日本の大学も、肺の病気で、それを使う研究をしていて、マウスでは、素晴らしい結果が出ていた。


ただし、どの研究も、人間で治験まではたどりついていなかった。

初めて、だ。


私が調べた日本語英語とりまぜた医療系の研究データを読んだ後、私は、ああ、これは、薬品会社は自信があるなと判断した。

高い確率で、大丈夫だという自信がある。


なおかつ、ここを逃したら、ここまで大規模な物質自体の治験のチャンスがないかもしれないと判断したな、と思った。


それが使えるようになることは、ここまで治せなかった、若い人もかかる病気が治せるようになることを意味する。

今起きていることがうまくいけば、数年後、10年後、飛躍的に医療が進化する可能性があるなと、私は思った。

癌とかですね。

今まで治せなかったものが、注射で治せるようになるかもしれない。

パッチみたいなのも開発してるね。


薬品会社は、この先のことがあるので、どこも特許は欲しかろうね、それから、「人体に問題なく使えるというデータ」も欲しいはずだと思った。


そして、打った。

億人単位の治験に参加するつもりで。

私は、未来へ賭けた。


あとは、人間を信じた。

神の名のもとに、神が与えた癒しを使って、愚を犯す一神教信者はいるまいと思った。

まあ、ものすごいビジネスチャンスだから、ちゃんとやるだろうというのが、ほんとの気持ち(笑)


人の心の善より、人の心の欲は信用できる(何が起きればいいのでしょう?ね。)


薬品会社は、地球の人口が多い方が、薬を使う人数が多いからもうかるんで、普通に人を殺すもんは開発したくないはずだ。

役に立つもんを開発してこそ、もうかるこの世の仕組み。



しかしまあ、私の体は、アレルギー反応を起こしたので、2回目はやめておくことになった。



ワクチン接種については、他人に勧めるつもりがないので、これも今まで書いていないことがある。勧めない理由は、少し前に書いた通り、日本では、どっちでも大した話じゃないと思っているからだ。


あとは、体の話だから、私には責任が持てないというのもある。

打たなくて酷い目に遭う確率も、打って酷い目に遭う確率も、どちらも、存在していることは、その人が納得できるようにするしかない。


そもそも、体は、全員違う。


パスポートについても、接触確認アプリすら満足に運営できなかった国であるからして、国内については、大規模イベントくらいはあるかもしれないが、そのうち、なあなあでうやむやに消えていくような気がしている。

日本の場合は、そもそもワクチンをばかすか打つ国でもないので、薬が出来たら、そこまでの話だろう。

すぐだ。



しかしまた、これは不思議なのだが、その後しばらくして、私の体調はすこぶるよくなり、一年間、私を悩ませていた、しょっちゅう発熱して咳が出る症状が無くなった。

アレルギーと同様に、ワクチンとの因果関係は不明である。



そして、皮膚科に行った後、私は、考えた。

このアレルギーは、どちらのアレルギーだ?と。



私を殺すことはない程度の異物だが、初めてだからのアレルギーだったのか、それとも、花粉症みたいに毎回だめな慣れることはないアレルギーなのか?



私は、好奇心から、来年、もう一度、試しに打ってみようか?

次は副反応はひどくないかもしれない、と少し思った。


(この辺は、多分、命に執着してないのが関係してる思考かもしれない。)



たとえ、違う種類のワクチンでも、それらが初めてのものであることには違いない。

後発組は、治験人数が圧倒的に少ない。

私が様子をみたいと思うのは、後発組の方だ。


私は、個人的に「遺伝子組み換え」されたものを体に入れるのが嫌いで、後発のものの方が、好きじゃない。

自ら、作り、組み替える方がイメージとしては嫌じゃない。


薬品については、日本のことは、そないに信用していないというのもある。

国がお金をけちったせいで、新しいものは遅れているというイメージがある。


日本製は、車やウォシュレットは信用してる。

あと文房具も素晴らしい。

これまた、好みの話だ。


ま、個人的な話だ。

考え方は、それぞれ。



そして、ともかく、私は思った。


私は、どれでもアレルギーを起こす可能性はある。


さて、どちらだ?

自分は、体を慣らすべきなのか、その必要はないのか?


私の未来は、どちらだろう?

これは、今の流行病のことではなく、別の病気のこと。


さて、どちらだ?


人はどうでもいいのである。

(子供がいたら、その子のことは責任があるから、相当悩んで、多分、よくわからんもんは打たせなかったかもしれないが。)


さて、私は、どちらだ?

進化する医療に世話になる可能性があるか、ないか?

その場合、体調悪い状態で、アレルギー反応を起こしたらえらいこと。


さて、私は、どちら?



来年、また、考えよう。