しんどいの声を聞く

 

5日で、体が元にもどりはじめた。

今年は早い。


「自分に合う薬がわかっているベテランさんは、特に問題ない。せっかく来たから、何か聞きたいことはある?」と、先週、お医者さんも言っていたように、合う薬は今回もいい働きをした。


そして、私は、ベテランさんらしく、特に問題なくこの秋はいけそうだと思った。


夜寝る前に薬を飲むこと。

午前中に予定を入れないこと。


この2つだけが、私がしばらく気をつけることだ。


「何かを当日、自分の都合で断ること」は、この時期は非常に心の負担になる。

だから、先回りして、予定を入れない。


ベテランさんの知恵である。


やりようで、心の負荷は下げられる。


しんどい人が最初にすべきは、しんどい理由を探すことではないということは、私が長い時間をかけて身につけた知恵でもあるし、同時に、同じく長い間の勉強から学んだことだ。


しんどい人が最初にすべきは、まず、今のしんどさを軽減するには、どうしたらいいか?だ。


今年、このしんどい理由には、おそらく、パンデミック(日本ではコロナ下という言い方がよく見られるけど)からのもろもろが含まれている人が多いと推測する。


きっと、あと少し、あと少し、「我慢」すればと耐えてきた、忍耐力が強い真面目な人ではないかとも思う。


普段、ストレス発散を、外交的な方法で、人と交わることでしてきた人も多いかもしれない。


この場合、あと少し、は、もう少し先だ。



さて、では、どうする?



もしも、今、パンデミックが理由で、しんどくなっている人がいるとしたら。


私は、次の質問を投げかける。



しんどい、そして、あなたが普段使うストレス解消法は使えなくて、この状況はしばらく続く、忍耐力は限界、

そして、あなたはしんどい時、

あなたは何が起きれば好いのでしょう?



または、


あなたの抱えているそのしんどさは何のよう?


そして、(何のようの答え)は、何が起きればいいのかな?



状況は変えられないけれど、その人が抱えるしんどさだけは、軽減することができる。


その人の中に、その力はある。

必ず、ある。


その力は、人によって違う。



私が今回使ったのは、ベテランさん、という力だ。

経験値。

私は、しんどいのに慣れている。

同時に、対処法を知っている。


これは、人によっては持っていない。

あら、薬もらいにいかなくちゃ、と、なんのためらいもなく、簡単に精神科に行くことができる人は多くない。

精神科に対する偏見は根強いから、まずは、そこにハードルがある人が多いはずだ。



というわけで、私のおすすめは、先の質問だ。


「しんどいの声を聞いてあげて。」



時期が経つのを待つ以外の解決法を、あなたの体は知っているはずだから。


それは、あなたにできる方法だ。

ちなみに、最初に出てくる答えは、できない方法の場合が多い。

人間は、まず、できないことをやろうとする癖があるらしい。


だから、もしも、できないことが答えに出てきたら、もう一度、聞いてあげて欲しい。



「それはできない、それなら、私は何が起きればいい?」


今度は、私(自分)の声を。



しんどいの声を無視した時、しんどいは「話を聞け!」と暴れはじめる。


しんどいは、あなたの一部分だ。

しんどいが、あのねと静かに囁いている間に、声を聞いてあげて。