だから、あなたは幸せなんだ

私は何かしたり、動いたりしている時は、音楽を聴きながらのことが多い。
夜寝る前の間際だけは、漫才かお笑いに変わる。
笑ってから寝たいからだ。
過ごした一日が、どんな感情に満ちた一日だったとしても、最後は笑って、ああ、今日「も」面白かったで終わりたい。

ある催眠療法の先生に、「だからあなたは幸せなんだ」と言われたことがある。
毎日、好きなもので一日を終える、なおかつ、自分が自分に、今日も面白かったと刷り込む作業をするからと。


あるお医者さんには、別のことで、「だからあなたは幸せなんだ」と言われたことがある。

そちらの理由は、私が便秘をしないからだ。
お医者さんが言うには、腸は幸せ感と非常に深いかかわりがあるらしく、お通じの状態がいいということは、腸内の状態がいいということなので、だから、幸せなんだそうだ。

子供の頃から、ほとんど毎日食べたり飲んだりするヨーグルトに感謝せねばなるまい。



また別のある人が「だから、ゆかりちゃんは幸せなんだ」と言っていたと、母の口伝いに聞いたことがある。
そのある人の娘さんに、私は大変お世話になり、ある時、ああお礼を言わなくちゃと思った。
30年前のことでお礼が言いたくなったのだ。
それで、娘さんにお礼を言って欲しいと、そのある人に伝えに行った。

しばらく後、母と会ったその人がいうには、ゆかりちゃんは感謝する、だから幸せなんだということだった。

私は、それがどんなに前のことでも、感謝を感じたその時に、相手に伝えることにしている。
ある時期までの私は、感謝の意味がわからない人だったので、私が感謝を伝えにいくのは、数十年前の話であることもある。

私がそうする理由は、祖父だ。
伝えられなかった感謝は悔いを残すと、私は祖父の死から学んだ。


だからあなたは幸せなんだ、と、人が言う理由は様々だ。
聴く音、腸内環境、習慣。

面白いのは、それらの人が、私は幸せだと決めつけてかかっていることだ。
どういう人のことを幸せな人だというかは、人それぞれだ。

私が幸せなのだとして、いずれにしても、私の幸せを支えているのは、とても小さなものらしい。