巻き戻し、早送り、一時停止ボタン
シンボリック・モデリングには、出来事の巻き戻しボタン、早送りボタン、一時停止ボタンがついています。
このボタンの使い方を覚えることは、ファシリテーターが経験しながら覚えていくひとつです。
クライアントに必要なように、時を一時停止し、巻き戻し、早送りし。
その巻き戻しは、クライアントが話すはじまりまでということでもありません。
必要ならば、どこまででも、巻き戻しできます。
私が聞いたことがあるのは、「地球の始まり」まで、時を戻したクライアントが過去に実際にいたこと。
早送りは、未来へ。
シンボリック・モデリングはこれを使う頻度が高いです。
今から未来へ、時を進める。
今、クライアントが選択したことの結果を確かめるために。
ちなみに、シンボリック・モデリングは、アウトカム志向の技法ですが、アウトカムの辞書に掲載されている主な意味は、結果や成果です。
シンボリック・モデリングでいうアウトカムは、必ず、「クライアントが望む」結果や成果です。
だから、クライアントの選択の結果、何が起きるかを、必ず、確認します。
それがもしも、望まない結果だったなら、また、巻き戻しボタンを使うのです。
そして、いつどこで選択すれば、違う結果、望む結果が生まれるかを、細かく細かく探ります。
結果には、どのような選択をするかも関係しますが、「いつ」「どこで」選択するかも、大きく影響するからです。
これらのボタンは、全て、クリーンな質問です。
さて。
初心者トレーニングでは、まず、ボタンの意味を理解し、使い方を学習します。
このボタンの使い方にはコツがあり、練習することでしか、コツはつかめません。
何に対してボタンを使うのか、それも理解する必要があります。
ある数人のファシリテーターたちが、「リソースワークがつまらない」と、初心者がたいてい最初に練習するワークのことを、私に告げたことがあります。
私が言ったのは、「リソースワークには全てが詰まっている」ということでした。
最初から最後まで、そのあと、永遠に使い続けることが、リソースワークには詰まっています。
最初から、変化の成熟まで、何もかもが、そこには詰まっていて、ボタンの使い方の練習ができます。
クリーンランゲージに独特の、ファシリテーターの立ち位置も、そこで覚えることができます。
私がリソースワークを練習する人に、使ってみていただきたい質問を、いくつか、ご紹介します。
すでにご存知の方が多いかもしれません。
そして、その[リソースのメタファーやシンボル]は、どこから来ましたか?
そして、あなたは、その[リソースのメタファーやシンボル]があると、どのように知りますか?
これらは、巻き戻しボタンの質問です。
そして。
メタファー・ランドスケープがすでに発展していたら、クライアントに問いかけてみてください。
そして[それらが全てそのようである/またはリキャップ]とき、次に、何が起きますか?
または
そして、[それらが全てそのようである/またはリキャップ]、そうすると、何が起きますか?
早送りボタンの質問です。
今までとは違う強化されたリソースを持つその人の未来には、リソースが影響して、何が起きるのか?
そして、未来で、また、一時停止ボタンを押して、時をとめ、ランドスケープを発展させる。
シンボリック・モデリングでは、永遠にそれを繰り返すだけです。
時間さえあれば、どこまでも続けられます。
(現実的には、時間には限りがありますが)
そこに、実際の結果(アクチュアル・アウトカム)として、どんな影響(インパクト、エフェクト)が現れるのか?
早送りしたり、巻き戻ししたり、時をとめたり、クライアントが考えるべき場所へ、クライアントに役立つ場所へ、クライアントを誘うこと、それもまた、ファシリテーターの仕事の一つです。
ご参考までに、クリーンな質問リストです。
https://www.clean-wiki.com/_files/ugd/35d63b_9241fc904e0b459b9193add916e68ec1.pdf
(質問の翻訳は、他の翻訳もあります)
この質問リストに掲載されている質問は、全て、リソースワークで使用できます。
リソースワークを練習する間に、できるだけ沢山の質問に、口を慣らしてくださいね。
そして、質問の意図も、必ず、同時に記憶してください。
それができているかどうかで、その先の学習の容易さが変わります。