PROモデルの空間配置(リライト)

本日は、PROモデルの空間配置の話のつづきを書こうとして、ズボラをしてしまい、操作を誤り昨日書いたものに上書きした結果、昨日の内容が消滅してしまいました!
・・・ので、最初から、リライトします。

昨日、自分が書いたこと全てを覚えていないので(そういうことはままあります)、細かいエピソードは省略します。


PROモデルは、こちらからどうぞ。


この記事の目的は、「シンボリック・モデリングのPRO練習時のサポートツールの一つによかったらどうぞ」です。

私が、このPROの空間配置のスキーマを思いついた理由を、昨日、長々と書いたことは記憶しています。
大雑把には、シンボリック・モデリングを習ったことがある人から、クライアントをするときに「PROモデルがしんどい」という話を何回か聞いたことがあったという理由からです。

これは、日本語だけでシンボリック・モデリングを習ったことがある人からではなく、英語だけで習った人からも聞いたことがあります。
ただし、全て日本人の人たちです。

それで、私は、仮説をたて、bのスキーマを使って、自分が開いたシンボリック・モデリングの勉強会で実験をしてみたところ、bの方がしんどくなかったというフィードバックをもらったというところまでが、昨日書いた話だったと思います。

同時に、ペニー&ジェームズの理解でのアウトカム志向とは・・・という意味の確認もしています。

(誰か、スクリーンショットを撮っている人がおられたら、clean.jikkenshitu@gmail.comまでメールで送っていただけると非常に感謝します!)

このスキーマは、練習サポート用のスキーマで、PROモデルそのものは、そのままです。


では、本日、ここからは続きで書くつもりだった内容です。

・・・・・

PRO空間配置の続き。


空間配置という意味では、実情にも、bのスキーマの方が近いと感じています。 
環状かどうかはともかくとして、PROモデルを使用するとき、PからOへの移行には、必ずしもRの経由を必要とはしません。


実際には、動きとしては、

1. P-R

2. P-O

3. P-P

4. R-O

5. R-P

6. R-R

7. O......発展させてみて、PかRが登場したら、1から6に戻る。


モデルの中で、質問ひとつに対して、クライアントに必要な動きに必要な距離は、少なくともbのスキーマの中では同じです。
aのスキーマだと、2は距離が遠いです。


そして、PからOにすぐ移行する例(2)も、割と多いです。


PからOへの移行経路の中にRを含んだスキーマを知っているとき、人によっては、そのスキーマのビジュアルが持つ距離感が、心理に影響しているのではないかと推測しています。


シンボリック・モデリングは、メタファーを形作っていくことで、作業を進めます。

ビジュアライズの能力が高い人がツールとして使うことを好む傾向があるかもしれず、それも影響しているのではないかと感じています。


(つまり、逆の言い方をすれば、しんどくなった人たちは、うまくなる可能性が高い人たちともいえるかもしれません)


PROモデルを図式化して覚える必要はないけれど、記憶する時に、練習で使うスキーマを記憶して、それが影響している可能性もあるかもしれません。

PとOの距離感。


あとは、そもそも、その人が、アウトカムをどのように捉えているかも関係するかもしれません。


また、その人が持つ時間の概念も関係しているかもしれません。


クリーンランゲージを知っている人がクライアントをするとき、PROがしんどい理由は、いろいろと理由は推測できます。


けれど、ようするに、「できるようになればいいこと」は、「クライアントの言葉を分類し、その発言の中からアウトカムまたはリソースを見極めること」です。


そして、クライアントに、アウトカムを出せとは、一切、求める必要がないのです。

こちらが、アウトカム志向なだけで、クライアントは好きに考えればいいのだから。


そして、アウトカムが出なくても、シンボリック・モデリングのセッションはできます。
クライアントの発言から、アウトカムを探っていくというセッションをすればいいだけだからです。
その作業は、PROモデルだけを使ってする必要もありません。
(流れとしては、「今、まだPROをやってるよ」と自分が自覚している必要はあります)


これは、最初には習わないことが多いかもしれませんが、アウトカムは出ないまま、プロブレムを含んだランドスケープのまま、先にリソースを発展させる中で、アウトカムが現れることもあります。


クライアントがアウトカムを望める状態を先に作る必要があることも、実際のセッションの経験的には多々あります。)



また、クライアントの発言が、完璧なアウトカムである必要はありません。

発言の中に含まれるアウトカムの発言をピックアップして、そこから話を始めることができます。


例えば。


「もう生きる意味を全く見出せないし、好きなこともよくわからない。それで困っています」


これは、私が実際に聞いたことがある日本人のクライアントの発言です。

この発言のあと、あなたなら、どの質問をしますか?


プロブレムの質問?

レメディの質問?

アウトカムの質問?


正解はありません。


文脈から、私なら、この中にアウトカム(この場合はクライアントが欲しいリソース)が2つ暗示されていると判断します。

私は、この発言に対しては、その暗示されているアウトカムに対して、アウトカムの質問を使います。


生きる意味、と、好きなことです。

文章全体は、プロブレムの発言ですが、生きる意味という言葉、好きなことという言葉は、問題を含みません。 



なおかつ、この人がそこに価値を認めていることは明らかです。

でなければ、それらがなくて、困ることはありません。


私がする質問は。


その生きる意味について、他に何かありますか?

その好きなことについて、他に何かありますか?



アウトカムの定義は、〈持っていない+好きなもの/価値を認めているもの〉です。


なくて困っているならば、それが欲しいのだろうと、私は推測をたてます。


果たしてそうなのかどうか、別のものがあるのか、本当は何の話がしたいのかは、話を進めてみないとわかりませんが、とりあえず、取っ掛かりとしては、その2つを使います。


また、これは、日本人のクライアントさんに顕著な特徴ですが、自分が欲しいものを最初からはっきり自覚していて、なおかつ、はっきりそれを言葉で表現できる人は、非常に稀です。


私は、婚活をお手伝いしていることがたまにありますが、結婚というはっきりしたゴールがあるものに対してでさえ、「結婚したいんです」という方は、ほとんどゼロに近いです。


この例のクライアントさんは、少なくとも、何に困っているかは把握しているわけで(本当にそれが理由かは、この時点では、わからないけれど)、そして、それをちゃんと言葉で表現できているだけ、まだわかりやすいです。



自分の望みをイメージしたことがない人は、本当にたくさんいます。
それをイメージしてみてね、というところから、話は始まっています。
いきなり上手にイメージできるかどうかは、その人次第です。


この場合、この望みは、アウトカムです。


レメディを、アウトカムだと思っている人、問題を解決することを望みだと思っている人数は、非常に多い印象があります。


また、日本語の言語的な特徴から、(参照点-ターゲット)、日本語ユーザーは、いきなり、真ん中を言わない可能性が非常に高く、PROの質問だけで、はっきりしたアウトカムを引っ張りだすまで頑張ると、相手がしんどくなる可能性があります。


(練習でしんどくなっちゃった人は、これも理由の一つかもしれません。相手もビギナーだから、細かい分類がまだできないので、はっきり全体がOの文章が登場するまで、PROを引っ張る可能性があります。例の文章なら、間違いなくPの質問をしてくるのではないかと思います)



私が習った限りでは、シンボリック・モデリングに、正しい手順というものはないので、よりそのクライアントに効果的な進め方を模索する必要はあるかなと思います。

実際には、プロブレムの真上にアウトカムがあったり、レメディの斜め前にアウトカムがあったり、それらの場所はバラバラでしょうが、最初に練習する際は、心理的負荷が低い方が覚えやすいかとは思うので、スキーマが、練習のお役に立てば幸いです。