愛しのベネディクト・カンバーバッチ

愛しのベネディクト・カンバーバッチ。


私には、あなたが、私のセッションのファシリテートに介入する日が来るなんて想像もできませんでした。


私がイギリス英語が聞き取れるようになるのを、あなたは日々、encourageしてくれています。


大好きなあなたが演じるシャーロック・ホームズの早口なセリフを、字幕なしで、一言も落とさずに聞き取れるようになるために、私は、何度も何度も、あなたのドラマを繰り返して観ています。


私は、自分があなたが好きなことを、私の英語リスニング向上のためのリソースとして利用しています。


私が、あなたを思い出すのは、とても簡単です。



そして、あなたは、私に教えてくれました。


とても大事なことを。

私のセッションのファシリテートに介入して。


あなたの名前が、クライアントの口から登場した時、私は、ついうっかり嬉しくなってしまいました。


私がしなくてはいけなかったのは、クライアントの言葉について、何を問いかければ、クライアントの役に立つだろうということだったのに、私は、感想を抱きました。


「わかるわ、私も、シャーロック・ホームズは大好き!」


なおさら悪かったのは、私の頭に、あなたがありありと浮かんでしまったことです。


「よく知るもの」として。



クライアントの口からでたあなたの名前と、私の知るあなたは別物なのに、私は、クライアントと自分が、同じもの、を見ていると勝手に思いこんでしまったのです。


そして、そのことに、気付けなかったのです。



愛しのベネディクト・カンバーバッチ。


あなたはご存知でしょうか?

私は、クリーンランゲージを使ったセッションを始める前に、必ず、自分の心の中で、こう呟いてからセッションを始めることを。


「私は、何も、知らない」


自分が知っていると思い込むことが、クリーンランゲージのセッションでは、クライアントが理解することの邪魔になることがあるからです。



けれど、あなたという、あまりにも好きな存在が、クライアントの世界に登場したとき、私のそのおまじないの一言の効果は、もろくも崩れさりました。


あなたのことが好きだ、という私のエゴが、そこに現れてしまいました。



そして、私は学びました。



私が気をつけなくてはいけないのは、自分が好きなものが、クライアントの口から登場したときだということに。


私の内側は、問題には、大して反応しません。

私は、理性で、それを抑えることができますし、他人の問題と自分の問題を切り分けるトレーニングは、長い間、積んできました。



私ができていないのは、他人が好きなものと、自分が好きなものが同じだったときに、それを切り分けるトレーニングです。


それを、あなたの名前は、気づかせた。


私のコーチのメタファーに、あなたの名前を加えたいと思います。


私から、冷静さを奪うメタファーとして。

日々、私をencourageするものが、クリーンランゲージのセッションでは、その絶対的なルールを自分が守るのを邪魔することを助長すると。



以後、私はセッション前に、心の中でこう呟きます。


「私は、何も、知らない。ベネディクト・カンバーバッチも知らない」



また一つ、成長できた気がします。


やはりあなたは、愛しのベネディクト・カンバーバッチです。