AgencyとEncourage |さて、どう訳しましょう?

 昨夜、オンラインでのシンボリック・モデリングの集まるマニアックな勉強会(*)で、仲間の人々が、私の解釈違いを訂正してくれた。


それは、本当に楽しい時間だった。

「淑女のお帽子」効果は素晴らしい。


さて、その単語はagency

だいたい理解でき、そして、エージェンシーとカタカナでいくしかないなという結論になった。

agencysubjectとどう違うのだろうという疑問はまだ、私の中には残っている。



ともかく、私は、自分がカタカナだと理解しにいのもあり、あまりカタカナではいきたくないのだが、これはもうシンボリック・モデリング用語一覧表を作るしかあるまい、ということだけはわかった。


そのうち、用語一覧表のページを、私の実験室であるクリーン実験室に作ろう。

気長にお待ちください。


とはいうものの、用語一覧表は、あまり引っ張れないのもわかっている。

私がもしも他者に対して、より効果的、自発的、能動的な学習をencourageしたいのであれば、まもなく必要になるだろう。



そして、話はencourageなのだ。


現在、私が訳を固定しかねている英単語がある。


encourageがそれだ。


私は、この単語は、英語で体験と一緒に覚えた。

ああ、これがencourageかと。

その体験から得た感覚は外れていないようだったが、話は、その感覚を一語で表してくれる日本語のボキャブラリーが、私にはなかった。


つまり、英語のセッションでその感覚を味わうまで、私は、encourageされた体験を、日本語のクリーンランゲージのセッションからは得たことがなかったのだ。


私は、それを「complete difference(完全に違う)」という表現で、何度か英語で表現したことがある。今、それは、encourageの話だったと、ようやくわかった。

 

ちなみに自分は、encourageするように努力している。


というわけで、encourageをどう翻訳するかは、一大事なのである。

勇気づける、励ます、が、私の感覚には一番近いが、それだけでもない。


そして、勉強会仲間のひとりのプロ翻訳者がいうには、「日本人は他者をencourageすることが少なく、それが問題だと言われている」ようなことらしかった。


そんな元も子もないと、私は、笑った。


そういう、「日本社会にはあまり一般的ではない概念」であるということは、わかった。


あまり一般的ではない。

ないが、私は、若い私にM先生がしてくれたことはencourageだったと感じている。


「やってごらん」


ただし、彼が使っていたのは、クリーンランゲージではない。

「やってごらん」とは、クリーンランゲージでは言わない。


M先生は、私を勇気づけ、一歩を踏み出すように促したわけで、これは間違いなくencourageなのだが、これをクリーンランゲージでやると、それは、場合によってはpushing(押すこと)やleading(導くこと)、つまりは誘導につながる意味合いになりかねない可能性がある。


単に言葉だけの話なのだが、ランゲージと名前についている技法である限り、これは、やはり、言葉に敬意を払いたいと、私は思う。細かいのですよ、些細なことに、私は。


あとは、まだ、体で感覚がわからない初心者も用語を見るだろうしなあ、という思いもある。

体で感覚がわかっていれば、その感覚が、その言葉の定義になる。

文字でいかように羅列しようとも、言葉の定義づけは体がするので、体験や経験があれば、言葉はなんでもいいのだ、はっきり言って。
必要なことは、「それが再現できればいい」だけなのだから。


なんせ、話は、技術の話である。
言葉の意味を概念的にいくら説明できるかより、それが自分の体で行えるかの方が、より大事なことであるには間違いない。


けれど、初心者は違う。

言葉から理解が始まる人たちもたくさんいるわけで、同時に、言葉がわからないために理解が進まない人たちもたくさんいるわけで。


そして、皆で話し合うときに、それぞれが違う言葉だと不便なことが多々あるわけで。

そういうわけで、できるだけ、より多くの人たちが、その体験に結びつけられるような訳語を探したいというのが、私の願いではある。
体験と言葉が結びつかないと、再現に繋がらないからだ。


(手っ取り早いのは、各々メタファーにしてしまうことだというのはわかっている。今であれば、「そのencourageは、どんなencourage?」)


言うは易いが、これが、なかなか難しいですね。


ほんま。

なんで手をつけちゃったのかしら、私
(学生時代にサボったツケを支払っている説あり。笑)


まあ、面白いからでしょう。

パズル遊びみたいで。


(私は最近、英語では、翻訳のことを、'playing with English and Japanese-日本語と英語と一緒に遊ぶ-'と表現している。ほんとにパズルゲームみたいだから)



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(*)Inside Clean シーズン4勉強会


Inside Cleanについて

https://note.com/cl_jikkenshitu/n/nb38dcd45324e


勉強会は参加自由。無料です。

詳しくは上記リンクからご確認ください。

教材は、日本語資料があります。