友人の愚痴から始まった気づき
こんなことは、数年前には思いつきもしなかったけれど、あ!新しい働き方があるよ!と、私は気がついた。
それはある古い友人の愚痴から始まった。
友人いわく「まもなく禿げる」というのである。
この友人は、ストレスがたまると、部分禿げができる。
毎回、「また禿げた!」と大笑いになる。
それゆえ、「禿げないように!」というのが、彼女に対しては、「自分を大事にね」とか、「気楽にね」とか、ストレスためないようにね、とかと同義語として働く。
さて、友人の夫は、とある割に時代の最先端なIT企業で働いていて、友人は子育てに邁進する専業主婦だ。
のんびりすぎるくらいのんびりした中学生の男の子にやきもきし、まだ小さい口達者な女の子にやり込められる日々を過ごしている。
そして2年前、社会環境の変化により、友人の夫の会社は、早々に全ての勤務をリモートに切り替えた。
システムを自分達で組めるITに強い人しか働いていない会社だからして、動きがものすごく早かった。
やがて、その会社は、もう誰も会社にほとんど永久にこなくても、仕事が回ると気がついた。
なんでも、作業効率が上がり、売り上げまで上がったのだそうである。
出社時も、スーツは着ないでいいことになり、デニムで出社してると、友人は言った。
(ちなみに、彼ら夫婦と私は、学生時代から友人なので、月日の流れが恐ろしすぎるが、大方30年の付き合いだ。)
そして、やがて、日本国内であれば、どこに住んでもいい、出社時の交通費は会社負担と決まり、そして、友人の夫は、ずっと家にいるようになった。
この間、友人は、一日中夫が家にいる、たまには家族中が家にいる、ひとりの時間がなくなった、ストレスしかない、「もうすぐ禿げる」と言い続けて、幸い、いまだ禿げてはない。
ともかく、「その場所にいなくてもその場所の仕事ができる」というのを、友人一家から学習した私は、これは、この、場所は、日本国内に限らないなと気がついた。
そういう人たちは、ちらちら現れてはいるけど、まだそんなに多くない感じだ。
しかし、いるにはいる。
以前よりは、うんと多い。
まあ、それにしてもだな、ではあるのだが、私の目線が国境を越えた。
そういう未来もあるのだと、気がついたからだ。
そして、つい先日、日本人の英会話の先生が、私の書いた英文を読んで言った。
英語の時の方が、自然で伸び伸びしていますね。
そして、私は思った。
新しい時代についていけるか、私?
それにしてもだな。
まあ、今、やることは、同じだけど。
文法だ、文法。
目が開いたのは、大きな違いだよね、きっとね。