刷り込まれたものがたり
いばら姫のオープニング。
そこには、意地悪な魔女が登場し、呪う。
祝いの場所で。
そして眠りの魔法にかけられて、ひたすら待つ。
時が過ぎ、救いが訪れるまで。
救いは、真実の愛。
おとぎばなしによくある呪いと真実の愛パターン。
真実の愛は、勇気の場合もある。
刷り込まれたものがたり。
まずは、呪いありき。
まず、呪いにかからねばならない。
まず、苦労しなければならない。
21世紀に入った後、ディズニーはものがたりのパターンを変えてきている。
相変わらず呪いはあるけれど、その呪いは、魔女がかけるとも限らず、生まれもった何かの場合も登場し、そこから解放されるためのリソースは、もはや勇気と真実の愛という2パターンではなく、姉妹愛だったり、ユーモアだったり、仲間だったり、知恵だったり、一般人が手に入れやすいものが加わりはじめた。
それらのリソースは、特別なお姫様だけが手に入れられそうなものとは限らなくなってきている。
呪いも生まれもったもの。
他人が悪いわけではない、自分が持っている要素をうまく扱えないことが呪い。
そして、それには内克てるというパターン。
昭和に生まれた私に、刷り込まれたものがたりは前者。
新しいものがたりは、ここ数年の自身のメタファーから推測するに、ベースにあるのはディズニーだろうが、そこで、無意識化で動いていたパターンは、古いパターンのディズニーだろう。
私は、新しいものがたりの舞台を変更する必要があるな、と気づいた。
なぜならば、この新しいものがたりは、エンドロールからスタートしているからだ。
それは、呪いから解放された後のものがたりだ。
呪いを解くまでは、ドラゴンクエストでもうやった。
ものがたりが変わって、また新たな呪いと向き合うでは進歩がない。
真実の愛も、友情も、勇気も、仲間も、姉妹愛も、もう持っていて、それを探す必要はない。
果たして、新しいものがたりのテーマは、何か?
実は知っている。
アドベンチャー。
この新しいものがたりは、どう考えても、3年近く前に私の内側で始まり、以降、私のメタファーがディズニーワールドと化しているからだ。
3年近く経って、ぼちぼち現実にそれが出現する時期にさしかかってきたのだろう。
今朝、ふとそう思った。
呪いから、現実のものがたりをスタートさせるわけにはいかない。
それでは、舞台を変えただけで、内容は古いものがたりだ。
刷り込まれたものがたりではない、新しいものがたりが必要だ。
呪いが存在しない世界のものがたり。
刷り込みから解放された世界に存在するものがたり。
子供は必ず刷り込まれているから、それは、大人のものがたり。
余談だけれど、もし私に女の子の子供がいたら、オールドディズニーは小さな頃には見せなかったかもしれないと、ふと思った。
自分の子供ならば、ものがたりには影響を受けただろうから。
新しい方だけを見せたかもしれない。