この仕事の名前は何か?

 前に進む時にはなぜだか過去が蘇る。


というわけで、みなが帰った後、上司と二人きりの静かな会社の事務所で、互いに書類をかちゃかちゃパソコンで作りながら話した夜をなんとなく思い出した。


「私は、まあ、なんか色々やってて定まりませんよね」と言った私に、上司は言った。

「僕には、君がやっていることは、常に一貫して同じに見えているるけどね。君はマルチプレイヤーではあるからわかりにくいんだろうけど。何でもそれなりにこなすでしょ、君。」


私は、そんなことはないけど、そうですか?同じこと、何だろう、と言った。

上司は、それには答えなかった。


そのしばらく後、私は、会社のホームページリニューアルの担当になった。

もう一人、東京本社の人と一緒に。


私が、選んだ、ホームページのトップのコピーは、「夢をカタチに」だった。



さっき、クリーンランゲージも、そうだ、と、私は気がついた。

メタファーは形を持つ。

そして、その形は、やがて、現実に事象として現れる。

望みはカタチになる。


セッションは、まんまそのままだ。


グラフィックもそうだ。

それは、誰かの思いが目に見えるようにするためのものだ。



そうだな。

ずうっと、同じことをしている、と、私は思った。


私は、誰かの夢や願い、望みを、カタチにするのを手伝ってきた。



そして、これからも、それをやるんだなと思った。



思いをカタチにするのを手伝うのが、私の仕事だ。


そして、これは、なんという名前の仕事なのだろう?と、私はふと思った。