明日はここからはじめよう。ラポール
明日、私は、初めて発言に責任が生じる状態で、「クリーンなスタンス」について説明します。
クリーンなスタンスは、クリーンランゲージやシンボリック・モデリングの根幹に位置するもので、これがなければ、クリーンランゲージの質問は活きません。
クリーンランゲージは非誘導を原則としますが、いくらでも誘導できます。
全ての質問がそうであるように。
クリーンランゲージの質問は、他の質問よりは質問者が誘導しにくいように設計されていますが、質問者が誘導しようと思えばいくらでも誘導はできます。
質問者いくらでも相手を決めつけたり、相手やメタファーについて、思いこんだり決めつけたりすることができます。
推論と思い込みは、紙一重です。
そうしたら頭に延々と浮かんだのは、「なんでやねん!」「欧米か!」「だからUFJ にゾンビ...」「お前、それ知っとったやろ」「どないやねん」などのフレーズでした。
漫才のボケとツッコミです。
思い込みと決めつけが生み出す笑いの数々です。
思い込みと決めつけは、上手に使えば笑いを生み出すという効果があります。
同時に、人から決めつけられたり、相手の思い込みで傷ついた経験を持つ人もたくさんいます。
私の心に浮かぶのは、まだ今よりも女性が社会に進出していなかった時代、会社で言われたこと。
「お前が男だったらよかった。女はなあ」
「責任者は女性ですか?大丈夫?」
私、大変、傷つきました。
同時に、偉くなってやる!と決めました。
そうして良いところまではいきました。
この場合、思い込みや決めつけが影響した思いが起爆剤の役割を果たしました。
思い込みや決めつけが、その後引き起こすことにも効果がある場合はあります。
クリーンなスタンスは、方法論ですが、根っこには考え方がからみます。
「思い込まない」「決めつけない」
何を?
相手の「心の中」「考え方」「価値観」「世界観」を。
目には見えないものを。
言葉がそれらを表しているというスタンスなので、質問の中に組みこむ相手の言葉を変えません。(省略したり、分割したり、形容詞を名詞化したりはあります)
だから要約しません。
言葉を変えてしまうと、本人のものではない別の価値や世界観がそこに混じり混むから。
ファシリテーターによるリフレーミングはやりません。
本人のものではない考え方は、よほど上手くやらないと元に戻るから。
必要なときは、クライアント自身が再構築をします。
クリーンランゲージを使うときは、それをやらない。
けれど、それは、思い込みや決めつけや、要約やリフレーミングが悪いからではない。
ただ、クリーンランゲージを使うという場所では、それはやらない。
なぜならば、クリーンランゲージを使う時は、それが一番効果があるから。
そして、クリーンなスタンスよりも何よりも前に、ラポールが必要なこと。
明日は、テキストには書かなかったラポールの話から始めよう。
クリーンな前にラポールだ。
私はそう決めたのでした。
テキストを作るとき、私が教える人たちが、スムーズに理解するには何から説明をすればいいか?を考えて、話の順番を、一般的に使われている順番とは変えました。
そうしたら、テキストは、見たことがない作りになりました。
今度は、語る順番。
当たり前すぎて語られてこなかったところから話を始めよう。
なぜ、非介入なのに、冷たい技法ではないか。
これがなければ、クリーンランゲージはとんでもなく冷たい技法。
なぜ、言葉が辿々しい、間違いだらけの英文メールを書く私とジェームズが8年、メールのやり取りを続けられたか。
ラポール。
明日は、そこからはじめよう。
私がクリーンランゲージやシンボリック・モデリングから学んだ最大のものから、話を始めよう。
私が体験したものは上質なラポールがそこにある時に起きること。
また、聞いたことない順番から話をスタートすると少しおかしくなりました。笑
クリーン実験室、だからね。笑
さあ、はじめよう。
そして、何が起きるか、見てみよう。