眠り姫の名前
昨日、眠り姫について書いてみたら、今朝ひとつ、わかりました。
私が強いというかたくましい理由です。
あまり期待しないで読んでください。
なんじゃそりゃという話ですから。
眠り姫は20年以上、眠っていました。
何をしていたのかというと、ただ眠ることで自分を癒していたらしいのです。
絶望のどん底で眠りについたあと、ただ、スヤスヤと眠っていただけらしいのです。
それだけで、眠り姫は癒されたらしいのです。
眠り姫が眠るその間、私の頭や心は、さまざまなことをしました。
けれど、そこに眠り姫は参加していません。
気配すら現れませんでした。
なぜなら、ただ眠っていたから。
私は、眠るのが好きです。
夜眠るために、昼生きているといっても過言ではありません。
私は、私の人生の中で、眠りが果たしている役割に気づきました。
私は、ただ、眠れば癒される。
私は、毎日、一日の最後を、大好きなことで終える。
それがどんな一日でも。
必ず、自分を満足させる作業で一日を終えている。
そういうことに気づきました。
眠りが、私の人生の中で果たしてきた役割に気づきました。
だから、私は、朝、起きたとき、だいたいは満たされた気分なのだということにも気づきました。
眠った後だから。
癒された後だから。
私がたくましいのは、私は毎日眠るので、毎日癒され、精神的なあれこれを溜め込まないからだと気づきました。
そういえば、私は、眠る環境にはやたらとこだわります。
父が「頭が軽い」と私を笑ったのを、また思いだしました。
眠れば解決するくらいにしか深刻になれないということかもしれません。
悩んだ夜は山のようにありますが、悩んで眠れなかった夜は記憶にありません。
私は、寝つきがよすぎるくらいいいのです。
私の強さやたくましさの理由は、眠り、です。
それだけかよ、という、しょうもない理由がわかった朝でした。
そういえば、小さい頃、寝てばかりいるので、私は身内から「寝太郎」と呼ばれていました。
自分の夢があまりに素っ頓狂で、夢を見るのが楽しくて、ずっと眠っていたかったのを覚えています。
今でも割と素っ頓狂な夢を見ます。笑
もしかしたら私がメタファーの世界が好きな理由のひとつは、夢の世界に近いというのもあるかもしれません。
.......
眠り姫、というシンボルの名前は、私にリソースを教えてきました。
シンボルやメタファーの名前には、意味があります。
その人にしかわからない意味です。
だから、クリーンランゲージやシンボリック・モデリングでは、他者のメタファーやシンボルの名前を言い換えません。
名前そのものが、大きな意味を持つことがあるからです。
眠り姫は、童話では、いばら姫というタイトルのこともあります。
このシンボルの名前の出所がその童話であることは間違いありません。
けれど、私が、眠り姫、と表現し、いばら姫とは表現しなかったそこに、意味があります。
いばら姫という言葉から、眠りについての連想は生まれなかったのではないかと思います。
これは、全ての言葉が同じです。
だから、相手の言葉は言い換えません。
要約には要約の良さがあります。
再解釈には再解釈の良さがあります。
リフレーミングにはリフレーミングの良さがあります。
けれど、相手の主観に基づく経験を探求するために、クリーンランゲージの質問を使うときは、相手の言葉は言い換えません。
眠り姫が意味する体験に、いばらに囲まれたお城は含まれていません。
魔女の呪いも含まれません。
ただ眠り続けていたのです。
ファシリテーターが、眠り姫を、いばら姫と言い換えたその瞬間、私の今朝の気づきは消えうせます。
名前は、とても大事です。
人から名前や肩書きを間違われると怒る人が一定数いるのがいい例です。
個人名や肩書きは、その人の社会の中でのシンボル名です。
クリーンランゲージの質問を使うときは、全ての言葉を同じように扱います。
つまり、相手が選んだ言葉全てに、相手ならではの意味があり、それを最大限に尊重します。
眠り姫は眠り姫。
いばら姫とは別のもの。
名前が違えば、別のもの。
介入しないというと堅苦しいけれど、つまり、シンボリック・モデリングのファシリテーターがしているのは、名前で区別をつけているだけのことです。
名前は大事です。