フィードバック・ループ

 

私は、クリーンランゲージやシンボリック・モデリングの開発者たちの発想が好きです。

その中に存在する発想の中で、私が好きなものの中のいくつかを。


「忘れてはいけないことがある。クライアントがどんな問題を抱えていようと、彼らはその問題とともに生きていく術を知っている」


クライアントの人生、心や体に問題はあるかもしれないけれど、ともかくも彼らは一緒になんとか生きてきた。

それを忘れないでという話です。


私はこの発想に、人生やその人に対する深い信頼を感じます。

それから、問題を悪者にしていないのも感じます。



「クライアントが抱える問題のほとんどは、問題そのものにあるのではなく、問題とその人の関係性にある」


この考え方は、特に、シンボリック・モデリングでは顕著です。

シンボリック・モデリングでは、ネットワーク(つながり)を徹底的に探求します。

時間的に、空間的に。

そして、クライアントが、そこで起きることの力を使って、世界を動かしていくのを質問することで支援します。

セッション後半は、ほとんどこれしかやっていません。


このつながりの持つ相互作用の力や違う視点から関係性を見る効果を使用することを、フィードバック・ループ、ネットワーク・エフェクトなどと言います。


これは部分的に抜きだしても使えます。

ここに使う質問は、基本の質問でできます。

使い方を少し変化させるだけ。


クリーンランゲージの質問をシンボリック・モデリングで使用するとき、その使い方にはさまざまなパターンや役割があります。

覚える質問の数は、そうありません。

同じ質問がさまざまな使い方ができるので、覚える使い方は、個人のニーズや興味に合わせていくらでもあります。


これは、質問ひとつひとつの意図や役割をしっかり覚えておくことで、いくらでもできるようになります。


質問とファシリテーターの関係性が、ここには影響するかと思います。

ようするに、質問を字面と発音で適当に覚えているか、もしくは、質問の意図や使い方を理解しているか。



私のわずかなトレーナー体験の中で、私が気づいたのは、新しい知識と本人との関わり方が実にさまざまだということでした。

ですが、これはまた、別の話。


新しいことを問題とするのか、新しいことに好奇心を抱くのか。

そして、その新しいこととどう付き合い、どう関係を構築していくのか。


(新しいから)わからないことと、その人との関係性は実にさまざまで、私はその多様さに驚いています。


ともあれ、シンボリック・モデリングを学ぶときは、日本式の公立の教育のやり方はかえって邪魔ということだけは、私が気づいたこと。

なぜならば、フィードバック・ループが使えないから。


講義中、いかに、参加者さんたちが好きに意見や気づきを話すのを支援できるか、これが、私の課題。

間違いたくない、は、シンボリック・モデリングのファシリテーションの上達の邪魔になるので。


私が求めていることを推測しないくせをつけること、そのために、私はどうあればいいのか?


どうやれば、グループのつながりの力を最大限に引き出せるのか?


さて、またひとつ、探求テーマが登場しました。