認知症の人を支える家族のためのクリーンランゲージ
私の父は、アルツハイマー型認知症です。
現在、中期です。
私は、クリーンランゲージという技法のファシリテーターです。
普段は、クリーンランゲージを使ったコーチングベースのセッションを提供するのを、仕事のひとつにしています。
数年前、同じく認知症の祖母が興奮状態になった時に、たまたまそばにいました。
祖母は、「痛い。靴下がない」と、騒いでいました。
その時、ふと、クリーンな質問を使ってみました。
すると、祖母は質問を理解し、それからしばらくして、祖母は落ち着きました。
そばで私と祖母のやりとりを見ていた叔母が驚いて言いました。
「何をしたの?魔法でも使った?」
叔母がいうには、最速で祖母が落ちついたそうでした。
それをきっかけに、私は、介護領域でのクリーンランゲージをフィールドワークにしようと決め、初任者研修資格をとりました。
クリーンランゲージは、さまざまな分野で利用されていますが、私が知る限り、介護領域でのクリーンランゲージに取り組んでいる人は、まだいなかったからです。
これにはトレーニングの価格や形態も関係していると推測しています。
どこの国でも、介護に関わる人たちの給与は安いです。
対して、この類のスキルのトレーニング価格は高価な傾向があります。
必要な場所に届かないと感じた私の願いに耳を貸してくれた私のトレーナーのひとりが、今、やや安価なトレーニングの準備を進めてくれていますが、少し先のご提供になります。
この4年間、週に2回、訪問介護ヘルパーをフィールドワークにしています。
指名が来ることが登場し、「難しい利用者さん」の相手がうまい、どうやっているのかと、事業所の人から何度か尋ねられました。
私と話すと心が落ちつく、と、利用者さんは言います。
私がしてきたことは、クリーンランゲージでのファシリテーターの立ち位置を崩さないこと、そして、クリーンな質問を使うことです。
共感(この場合は、専門用語での意味)的なテクニックは、一切使っていません。
私は、共感性は非常に高いですが、高すぎるために、介護の現場でそれをすると、私の心が共感疲労で潰れてしまうと思ったからです。
クリーンランゲージの大きな特徴の一つは、その寄り添い方です。
支援される側の世界観を守るそのやり方は、同時に、支援する側の人の心も守ります。
認知症の人の介護では、残存機能に目を向けることが重要ですが、それは、リソースとアウトカムに目を向けるクリーンランゲージと相性がいいように感じています。
ワークショップが開けるところまで、頭の中はまとまっていませんが、個人的なシェアは可能です。
家族が使える介護の中のリソースは、忍耐だけではありません。
その人その人が持つ、その日々を支えるリソースがあります。
例えば、私は、「黄色い傘」というメタファーのリソースを、介護では使っています。
この傘は、私の耳にあります。
介護する人たちがしんどい一つの理由には、心の準備がないまま、自分のコンディションを整える余裕もないままに、聞きたくない話をたくさん聞く必要があることもあるのではないかと思います。
セッションならば、クライアントは予約をしてくれるので、私は体勢が取れています。
クライアントが何を言おうと、私の心が動くことは、一切ありません。
しかし、介護現場はそうではありません。
家族はもっとそうです。
私の黄色い傘は、どんな話も、傘にあたる雨音のように楽しげに聴こえてくるという特徴を持ちます。
私がこのリソースを使い始めてから、私には、どんな話も、口汚いものまでも、雨音のように聞こえています。
これは、私が、雨の日、傘にあたる雨音が好きという自分の特徴から生まれたリソースです。
これらをワークショップにまとめるまでには、もう少し時間が必要です。
しかし、個人個人になら、お分けできます。
もし、ご希望の方がおられたら、下記までメールで
ご希望日時
お名前(仮の名前でも結構です)
以上ををご記入の上、ご連絡ください。
認知症の人を介護するご家族、または、介護業界関係者に限り、1回30分3000円でお受けします。
お支払い方法は、
銀行振込
PayPay
PayPal
のどれかでお願いします。
メールは、yukari.s.e.w@gmail.comまで。