自己概念とファッション

好きな同世代の女優さんのインタビュー記事を読んだ。
ファッションに関する記事だった。

似合わない服が登場し始めて、新しいスタイルを模索しながら楽しんでいるという話だった。

私も同じくだったので、だよね〜と共感した。
私は、体重は長い間変わらないけれど、なんとなく肉付きが変わってきているし、自分の表情や仕草にも変化が生まれている。
外での役割も変わってきている。

基本、私は、服は自分のためには選んでいない。
自分のためだけに服を着ていいなら、私は一日中、パジャマでいたい。
私にはそれで十分だ。


さて。

以前から、若作りは余計に老け込んで見えることがあると、少し上の世代の人を観察していて思っていた。
メイクも。
若いメイクが逆におばさん度を引き立てることもある。
以前に書いたことがあるけれど、私は50代の人を20代から観察している。


そうして自分が少しずつその年齢に近づいてきて、私は、自分の衣装の見直しを始めた。
似合わなくなった服もあるけれど、逆に、似合うようになってきた服もある。

この衣装の見直しは、自分の実年齢と自己の中での年齢のすり合わせのようでもあり面白い。

ステキな女性をずっと模索してきた。
次に目指すは、ステキな老婦人である。


若い時に輝いているのは、あほでも輝いている。
工夫はいらない。
努力もいらない。

つまらん、と20代の私は思っていた。


私は、どうやら、自分の努力や工夫が必要であってこそ、面白いと感じるらしい。

若い時に存在した自己へのコンプレックスや否定感が消えている分、自由な頭と一緒に、この足をつっこみつつある新しい年代の自分の服装を考える作業は楽しい。

それはまた、自己概念を作りかえる作業のようでもある。