根源

先週は2日も病院に行った。
私は風邪では病院に行かないから、これは記録的だ。

私が本当にどうしようもない場合以外、病院に行かない理由は、病院に行くと体調が悪くなるからだ。
怖いからだ。

1日目は、健康診断。
バイト先での受診義務があるから。

血圧を測って、まあ大変。
今すぐ入院が必要なほどの高血圧。
(私は低血圧)
あなた、これは尋常じゃありません、測りなおして!と3回測りなおし。
はい、普通になりました、じゃあ次!と、まわった心電図。

あなた、心電図が異常すぎます、はい深呼吸して体の力を抜いて!で、こちらも3回測りなおり。
はい、普通になりました、じゃあおしまい。


血圧も心電図も異常な理由は、病院だ。
病院は、私の体調を壊す。
怖いったらありゃあしない。


血の検査だけは、毎度のごとく褒められた。
検査結果はまだであるが、私の血管はすごくしっかりしていて、血の色が綺麗なのだそうである。
私はタバコを吸う。


と、ここで検査は終わったが、夏前から頭痛と胃痛が断続的にあり、なんとなくお腹もはるし腰も痛いので、ついでに診てもらおうと受診したら、胃カメラ検査をするので明日も来いということになった。

下がった血圧と心拍は、きっとそこでまた上がったことだろう。


翌日、人生初めての胃カメラは、麻酔つきで快適だった。

お医者さんに「鼻で息を吸って、鼻で吐いてくださいね。できますか?」と言われたので、「ヨガと一緒ですね!」と張り切って言い、あはははと周囲の笑い声を聞いたあたりで意識は切れた。
そして、次に目覚めたら、検査は終わりベッドの上で寝ていた。

歯医者もこうしてくれりゃいいのに、と私は思った。

そのあと、診断。


私は、逆流性食道炎となんちゃら胃炎を併発していた。
ようするに、胃酸過多。
ピロリ菌は、見た目にピロリ菌のいる胃ではなかったので検査しなかったと言われた。
ある程度は、目で見てわかるもんらしい。
お腹が張るのは、胃酸が乳酸菌を殺すからだということだった。

発症した時期から考えるに、原因は明らかに仕事のストレスだった。
話を聞いて、「労災ですね」とお医者さんは笑った。

大した異常が見られないので、頭痛もおそらく同じだろう、とお医者さんは言った。
そして、根源に対する対応を取りなさい、それは医療ではないわね、と笑いながら付け加えた。

そして、私は、胃酸を抑える薬をもらって帰った。



私は、根源に対する対応は、その一週間前に、すでにとっていた。
周囲にやんや言われて、渋々。
自分は、まだ忍耐できると思っていたが、周囲は、その忍耐は無駄だと言い切った。

それで、私は一部に変更を加え、ストレスを下げることにした。

私の体の不調は、夫だけが知っていた。


そして、それから、私は、体の不調と向き合った。
自分が意図したタイミングではなく、病院に行かざるを得なかったタイミングで。

そして、いとも簡単に、私の健康な胃を取り戻せる薬を手にいれた。



根源に向き合うとき、意識や思考と体や行動は調和をはじめ、バランスを取り始める。
全ては連動する。

その仕組みが、わかりやすい出来事だった。