昨日のプラクティス・グループの補足みたいな感じ。ランドスケープは風景のこと。

メタファー・ランドスケープのランドスケープは、風景という意味です。

つまり、メタファーが並ぶメタファーで構成されている風景が、メタファー・ランドスケープです。



昨夜、私は、プラクティス・グループで、シンタックスを解説していました。


ああ、ここから話した方がよかったんだなと今朝浮かびました。

ここ、は、ランドスケープは風景なんだということ。


風景だということがわかれば、話はもっと理解しやすくなります。


クリーンランゲージのシンタックス(構文)を、メタファーで語るとこんな感じになります。


ファシリテーターは、ツアーガイド。

今、目の前に広がるのはエジプトの砂漠。


「そして、今、ご覧いただいたのは、王家の墓でした。


そして、次にご注目いただきたいのは、あちらのスフィンクスです。


スフィンクスに行って、そこを探求してみませんか?」



これが、クリーンランゲージのフル・シンタックス(完全構文)です。



省略形は....


1.王家の墓を見ていたけれど、すでにスフィンクスも目線に入っていたのなら


「そして、あちらのスフィンクスにご注目ください。

あのスフィンクスについて、探求してみるのはいかがでしょうか?」


もしくは


「そして、今、ご覧頂いたのは王家の墓でしたが、スフィンクスについて探求してみるのはいかがでしょうか?」



2.スフィンクスの前にしばらくいて、もう少しスフィンクスを眺めてみるなら


「そして、スフィンクスについて、もう少し探求してみませんか?」



また、メタファーによっても、完全形を使うのか、省略形を使うのかは変わってきます。


ビュンビュン速いスピードで動く車に注目するときに、

「そして車

そして車のとき

その車について他に何かありますか?」

よりは、いきなり

「そして その車のとき」で、車をストップさせる方が、走る車よりは眺めやすいです。



流れや形も大切ですが、シンタックスの構文が持つ、3つの役割をそれぞれ理解しておくことで、ファシリテーションはもっと自由に、リズミカルに、クライアントの世界に沿うことができます。


クライアントの世界には、それぞれの世界観に基づく流れのスピードやリズムがあります。

そのスピードやリズムは、メタファーが教えてくれます。

クライアントの体の動き、言葉のスピードが教えてくれます。


それらは全て、ファシリテーターの目に見え、耳に聞こえる情報です。


シンタックスは、目に見えて、耳に聞こえることから生まれます。


唯一見えていないのは、メタファー・ランドスケープですが、クライアントは言葉でその一部を表現しています。


ファシリテーターは、その言葉を手かがかりに、ツアーガイドをします。


ガイドの語り口調は、旅のクオリティを左右します。

その旅に、ガイドも強すぎない好奇心と興味を持つとき、ファシリテーションは楽になります。


そして、王家の墓やスフィンクスに夢中な旅行客が、まだ、それらの土台にある砂漠の砂は眺めてないなと気づきやすくなります。


砂漠の土を手で触ってみることは、砂漠に行かないとできません。



メタファー・ランドスケープの中では、触ることができなかった多くのものに、触れることができます。


「そして、王家の墓、そして、スフィンクス。


そして、王家の墓とスフィンクスが砂漠にあるとき


その砂漠は どんな砂漠ですか?」